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結論を申し上げると、簿記1級に独学で合格できる可能性はあります。別の記事でも申し上げましたが、特別な受験要件(例.特定の講座の修了者)が無い限り、独学が不可能な試験はありません。
関連記事:簿記は独学でも合格できる?3級と2級の違いや勉強のコツを紹介!
「公認会計士試験、税理士試験を独学で乗り切りたいのですけどできますか?」という相談をされたら、私はいったんストップをかけます。
しかし、簿記1級であれば独学にゴーサインを出せないことはありません。
この記事では、独学で簿記1級の合格を目指す前に確認すべき情報をお伝えします。
独学を可能にしている理由の1つは、簿記1級の市販教材の質の高さです。書店で書籍を見渡してみるとわかるのですが、簿記1級の書籍は非常に充実しています。
大手スクールが心血を注いだ教材が並んでおり、論点理解のためのテキスト・過去問題集等の教材だけに焦点を当てると、有料講座の教材と大きな差がつくとは思えません。
簿記1級受験生の方の基礎的な簿記学習能力への信頼もあります。
すでに、簿記3級、簿記2級と進んでこられた方には、簿記を理解する力も自信もあると存じます。
「満を持して」簿記1級を目指す、という表現がまさにぴったりかもしれませんね。
簿記1級は難度の高い試験です。税理士の受験資格(の選択肢の1つ)にも指定されるほどです。
簿記検定に自信のある猛者が集まっても合格率は10%。中途半端な国家資格試験よりよっぽど難しいと言われるのもうなずけます。
学習内容として簿記1級は簿記2級のなだらかな延長線上にあるかというと、残念ながら違います。
まずは受験科目が2科目増えます。
簿記2級:2科目(商業簿記、工業簿記)
簿記1級:4科目(商業簿記、工業簿記、原価計算、会計学)
受験科目が2倍に増えるため、対策範囲の広さという観点で独学のハードルは2級よりも遥かに高まります。
次に、論点の量です。簿記2級から簿記1級になって初めて追加される論点は、例えば商業簿記だけでも相当なボリュームがあります。
しかし、2018年の試験改訂で、これまで1級の範囲だった「連結決算」「税効果会計」が2級の範囲に変更されています。
2018年以降に簿記2級を取得された方は、その2点を学習しているため負担が軽減されますね。一方で2018年以前に簿記2級を取得された方は、出題範囲の変更と細かな法改正にも対応した学習が必要です。
税効果会計や連結会計に初めて触れるのが簿記1級だとしたら、急激に増えるボリュームに対する独学への対応は、覚悟をした方が良いかもしれません。
簿記1級の学習範囲には、受験生の中でも実務で担当したことがある人が少ないであろう内容がたくさんあります。原価計算や会計学は、簿記2級相当の実務では経験しにくい内容です。
企業単体で処理するのではなく企業集団で処理する、損益計算書の中に税金の損金益金の概念が加わる、というように全社的なイメージ、開示を意識した処理の理解をより強く求められます。
したがいまして、多くの人にとってイメージが湧きづらいというのは正直なところです。
周囲を見渡してみると、大企業・本社勤務・正社員としての経理を数年経験された方の中には、簿記1級の範囲を実務で経験されている方が比較的多い印象があります。
簿記1級の学習に必要な勉強時間は1000〜2000時間です。学習期間として、6ヵ月〜1年程度を見積もっておきましょう。
ここで、毎日の学習時間を「1年間」「6ヵ月間」の2通り試算してみます。
【1年間プラン】
平日は3時間、土日は8時間の勉強で
31時間/週×52週間(1年間)≒1600時間
【6ヵ月間プラン】
平日は4時間、土日10時間の勉強で
40時間/週×26週間(6ヵ月間)≒1000時間
勉強期間も半年以上になるため、モチベーションの管理も重要ですね。学習時間帯や場所を変えるなど工夫してみましょう。
ここでは1年かけて学習する場合のスケジュールをご紹介します。6ヵ月間で学習する場合は各プロセスを半分に圧縮してお考え下さい。
最初の3ヵ月は、簿記1級の学習内容の理解に重点を置きましょう。学習項目のインプットが目的の学習ですので、問題が解ける必要はありません。
学習成果の目安としては、テキストを1周できればOKです。
ここからは、問題を解く力を付けていきます。簿記1級の問題に慣れることが目的の学習です。
学習成果の目安としては、問題集の基礎〜標準レベルが解けるようになればOKです。また、苦手な単元を復習する時間も適宜確保してください。
簿記1級対策も後半戦。本試験レベルの問題をどんどん解き進めましょう。得点率も意識したいですね。
簿記1級の合格ラインは「全体の得点率70点以上」かつ「40点以下の科目なし」です。これを踏まえ、学習成果の目安は「得意科目は7割以上、苦手科目は4割以上」の正解を目指したいところです。
いよいよラストスパート。試験直前の仕上げ期間です。過去問や直前対策問題集を活用した学習を中心で。
学習成果の目安は単純明快「合格ラインに達する」です。今まで培った力に磨きをかけましょう。
独学で学習を進める際は、学習スケジュールの遅延に気を付けて下さい。
家事や仕事で勉強ができない日もあると思いますが、簿記1級の場合は不明点の解決に時間が掛かることがスケジュール遅延の要因になりやすいでしょう。
簿記1級レベルになると、「分からなかったらネットで調べて解決」も簡単ではなくなります。そもそも解説できる人が少ないため、解説動画やサイトは多くありません。そのため、自分の求める解説を探し出すのが難しく時間が掛かります。見つからなかったり、見つけても有料ということもあるかもしれません。
そして、不明点を自力で調べ続けた結果、遅延が重なり試験対策が間に合わなかったのでは本末転倒になります。時間のロスも小さくありません。
「時間を掛けて調べたのに、結果が伴わない」を予防・解消したい方は、講座の受講も検討してみてください。無料の資料請求でイメージを掴むことから始めましょう。
本ページの冒頭で述べたように、簿記1級の参考書は市販のものが充実しています。
どの参考書を選ぶかですが、簿記2級まで使用していた参考書があれば、そのシリーズの1級を購入するのが早いですね。参考書は好みが分かれると思いますので、Webでサンプルページを見たり書店で手に取ったりしてから購入しましょう。
なお、簿記1級はここ数年で出題改訂が複数回ありましたので、中古ではなく最新版の購入をおすすめします。
Web上には簿記の学習用アプリやサイト、動画は山ほど存在します。2級までの学習で活用した方もいらっしゃると思います。
しかし、それらの多くは3級・2級の対策用です。簿記1級対策のコンテンツがあっても、体系的に整理されたサイトやアプリはごくわずかです。
さらに「簿記1級の内容を網羅」という条件を付け加えると、有料のものがほとんどです。簿記1級対策となると、私たちが学習するのが大変なように、サイトやアプリの管理者も対応が非常に大変なのです。有償での提供にも納得です。
学習アプリやサイトは無料の範囲で使いたい方は、苦手単元の克服を目的として補助的に活用するのがおすすめです。
簿記1級のような難度の高い試験になると、「直前対策の講座や模試で出題された」という違いで合否が分かれることがあります。
簿記1級に合格するには、合格率10%の枠に入る必要があります。「論点は押さえて当たり前」、「過去問は見た瞬間に解法が思い浮かぶ」、「予想問題と応用力の勝負」という世界です。
簿記1級を受験するレベルだと、学習時間は取れても分析時間を取る余裕がない方がほとんどです。教材や出題の研究はプロに任せて、直前演習と模擬試験までパックになった講座が安心かと考えます。
「クレアール」の「簿記1級講義パック」は直前答練と模擬試験を含む簿記1級対策の講座です。効率重視で簿記1級対策をしたい方、無料の資料請求から行動を始めましょう。
講座名 | 受講料 |
---|---|
簿記1級講義パック Web通信 |
87,120円 ※キャンペーン価格 |
一にも二にも、簿記1級の合格には学習時間が必要です。
「簿記1級に独学で合格するためのスケジュール例」でお伝えしましたように、学習時間は1000時間確保したいところです。自力で確保できそうであれば独学、難しそうであれば講座に頼るというのが基本の考え方です。
時間を確保しにくい人ほど、通信講座による学習効率アップが見込めます。
これまで大学受験や資格試験の勉強に慣れており、基礎学力に自信のある方は引き続き簿記1級の独学を進めても良さそうです。
簿記1級は「問題を解く力」もさることながら、「試験勉強がうまくいったか」という戦略面の成果も合否に影響しやすいです。学習期間が長いだけに、勉強の仕方を間違えた際の費用と時間の損失リスクは大きくなります。
独学で簿記1級を学ぶ際の難易度・学習内容・情報収集・モチベーション管理などのリスクが排除できたとしたら、もちろん、独学が費用的にもっともすぐれたものであることを否定することはできません。
「効率よく学習を進めたい」という方はスクールの講座を有効活用し、学習効率を上げて仕事や家庭との両立を目指した方が良いでしょう。
クレアールは、合格に必要な範囲だけを学習する独自の学習法「非常識合格法」を実践し、Web通信が標準の学習形態のスクールです。
合格に必要な特典範囲を効率よく学ぶことができる独自のVラーニングシステムを導入しており、スキマ時間を活用したり、自分のペースで学習を進めることができます。
合格までのポート体制も充実しており、不明点や疑問がある場合は、電話やインターネット通話、メールなど回数制限なく毎日質問できるので安心です。
学習をはじめることは目的とせず、資格取得やその先の就転職といった目標達成をゴールにしています。
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サポート期間中であれば、疑問や不明点の質問可能。
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