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更新日:2023/04/27
簿記2級の取得を目指す人にとって気になるのは「簿記2級を取ったらどのくらいの年収なのか?年収は上がるのか?」ということでしょう。
結論から言えば、簿記2級の取得によって年収アップは可能です。
ただし、実務未経験の場合、就職または転職初年度に大きな収入は見込めません。また、職種や企業の規模によって年収が異なるため、求める大まかな年収を決めて就職先を絞る必要があります。
この記事では、簿記2級取得後に年収がアップする方法について、詳しく説明していきます。
簿記2級は商業簿記と工業簿記の2科目が試験範囲です。簿記2級のレベルは、財務諸表から経営状況等を読み解き、原価計算ができるなど、経営管理に役立つ知識を持っていると判断されます。
お金の流れを理解できる人材として営業・事務・管理・製造・金融など、さまざまな職種・企業からもっとも求められる資格といえるでしょう。そのため、簿記2級を持っていると、就職や転職で有利になります。
もし、年収アップを望むのなら、簿記2級をダイレクトに活かすことのできる経理・会計・金融などの業種を選ぶと良いでしょう。
また、経験を積むことで税理士事務所や会計事務所などで採用されやすくなり、さらにキャリア・年収アップが望めます。
簿記2級を取得した人はどの程度の収入を得ているのか、実務経験別に説明していきます。
簿記2級を持っているが実務経験がない場合の平均収入は、250〜350万円程度です。
「思っていたより低い」と感じるかもしれませんが、経理や会計などの仕事は経験を積むことで年収が上がる場合が多いため「初めはこんなもの」と割り切ったほうが良いでしょう。
会社の規模・職種・ボーナスの多寡によっても初年度の年収は異なるので、求人内容をしっかり見極める必要があります。
もし、実務未経験でも高収入を目指すなら、実務評価型の企業がおすすめです。職務を遂行する能力を評価されるため、簿記2級の知識や能力を発揮することができれば、短期間での収入アップが見込めます。
また、簿記2級を条件に高収入を提示している企業・業種・職種に絞って就職や転職にチャレンジするという手段もあります。採用されるのは簡単ではありませんが、実務未経験でも高収入を得られます。
簿記2級取得が条件の企業の場合、1年以上の経験で平均年収300〜480万円、3年以上で350〜600万円と言われており、経験年数で大幅に上がります。
2022年の会計事務職の賃金構造基本統計調査を見てみましょう。経験年数によって年収が上がっているのがわかります。
経験年数 | 年収平均 |
---|---|
0年 | 3,249,400円 |
1〜4年 | 3,739,500円 |
5〜9年 | 4,254,300円 |
10〜14年 | 4,387,100円 |
15年以上 | 4,983,400円 |
※企業規模10人以上の企業
参考:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査
ただし、この統計は中小企業から1,000人以上の規模の大企業まですべて含まれた平均額なので、年収にはばらつきがあります。
また、簿記2級を条件にしていない場合もあるため、実際には資格・経験年数が評価され600万以上の年収を得られる企業もあります。
簿記2級の取得後に経理や会計の職に就き3年以上が経過した場合、さらなる年収アップが期待できます。
同じ会社に勤め続けている場合は経験が考慮され、100〜200万程度年収が上がる可能性があります。
また、転職が格段にしやすくなります。転職サイトの条件を見ると、必須事項として「日商簿記2級資格」「経理の実務経験」といった文言が多く、月収は年齢と経験を考慮して決定する場合がほとんどです。
年齢が上がっていても実務経験を積んでいる場合は評価されるため、福利厚生が充実している中規模以上の企業に転職しやすく、年収が高くなる可能性があります。
「より高収入を目指したい」という人は、大企業の会計職に応募するのもおすすめです。簿記2級の資格と3年以上の実務経験は即戦力になると判断されるため、600〜900万円前後の年収が期待できます。
税理士・会計士事務所などに転職し、独立を目指すのも良いでしょう。年収の中央値は500万円前後ですが、1000万円以上稼ぐ人もいます。また、事務所に雇用される立場か、自分で開業するかによっても年収に大きな開きがあります。
簿記2級を取得した後、高収入を得るためにはどのような方法があるか、詳しく見ていきましょう。
会社によっては資格手当を支給しているところがあります。簿記2級の場合、専門的な知識があると判断されることが多く、月に1,000〜5,000円程度の手当です。
少なく感じるかもしれませんが、年間に換算すれば12,000〜60,000円です。仮に定年まで働き続けた場合の生涯年収を考えると、決して少ない額ではありません。簿記2級を持たない人より、収入は高くなると言えるでしょう。
資格手当は福利厚生に含まれます。簿記2級を取得後に就職・転職する場合、年収はもちろん福利厚生の内容をしっかり確認しておきましょう。
参考までに、簿記1級を取得した場合の資格手当をご紹介すると、1,000〜7,000円ほどです。
簿記の最高難易度の資格でありながら簿記2級とさほど変わらないため、簿記1級を取得した場合は資格手当に期待するより、転職や独立を目指したほうが高い年収を望めるでしょう。
簿記2級取得後、より収入アップを目指す場合にもっとも一般的なのが、年収の高い企業へ転職することです。
中小企業の場合、経理や会計の職に就いた場合の平均的な年収は400〜500万円程度で、それ以上は大幅に上がらない傾向にあります。同じ経理・会計職でも年収の高い大企業や職種へ転職することで年収アップが可能です。
また、お金を扱う金融機関は、600〜800万円前後と年収が高めです。金融関係は簿記2級の知識をダイレクトに活かすことができるので、銀行・証券会社・保険会社・リース会社などの金融関連への転職を目指すのも良いでしょう。
ただし、年収が高くても長続きしなければ意味がありません。転職する際には福利厚生・会社の評判、業界の雰囲気などをチェックする必要があります。
実務評価型なのか年功序列型なのか、会社の評価基準も重要です。「できるだけ早く年収を上げたい」「成果を評価してほしい」と考えているなら実務評価型の企業を選びましょう。年功序列タイプの企業より、早めに高い年収を得られます。
より高年収を望むなら、簿記2級の取得後、簿記1級の取得にチャレンジしましょう。簿記1級は簿記の最高難易度レベルで、合格率は10%前後です。簡単に取得できる資格ではありません。
しかし、簿記1級を取得すれば経理や会計のスペシャリストとして活躍の幅が広くなります。そのため、年収の高い企業への就職や転職時に非常に有利です。
簿記2級を取得後に実務経験を積みながら簿記1級合格を目指した場合は、簿記1級の資格と実務経験により、大企業や大手税理士事務所などで採用される可能性が高くなります。
企業によっては800〜1,000万円以上で、簿記2級取得時より大幅な年収アップが望めるでしょう。
また簿記1級取得により税理士試験の受験資格が得られるため、よりキャリアアップや年収アップが可能です。
簿記2級に合格したら、税理士や公認会計士を目指すことで年収アップにつながります。
税理士は国家資格の一つで、税務の専門家です。税理士法が定めた独占業務として、税務代理・税務書類の作成・税務相談があります。
一方、公認会計士は会計の専門家です。国家資格の一つで、公認会計士法に基づいた独占業務として監査・税務・経営コンサルティングを行います。
厚生労働省の統計によれば、税理士と公認会計士の平均年収は約746万円です。
参考:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査
ただし、事務所の規模や勤続年数により年収は異なり、役職が上がれば1,000万円以上も可能です。下記の例は企業規模1,000人以上の公認会計士・税理士の経験年数ごとの給与額です。経験年数10年で900万以上の年収となっています。
経験年数 | 年収平均 |
---|---|
0年 | 5,036,500円 |
1〜4年 | 6,535,900円 |
5〜9年 | 7,309,000円 |
10〜14年 | 9,203,500円 |
15年以上 | 9,512,200円 |
また、独立開業すれば定年がないため、生涯年収は高くなります。
公認会計士に受験資格はありません。しかし、税理士は、学識による受験資格・資格による受験資格・それ以外の受験資格のいずれかが必要です。
税理士の受験資格には日商簿記検定1級合格者が含まれています。簿記2級取得後に簿記1級所得を目指し、合格後に税理士の資格取得を検討すると良いでしょう。
また、公認会計士は合格後、公認会計士登録を行うと税理士の登録も可能です。非常に高い難易度ですが、高年収を望むなら挑戦する価値はあります。
簿記2級は就職や転職に本当に有利なのでしょうか。詳しく説明していきます。
どんな業種であっても企業に経理部門は必須です。そのため、簿記2級を持たない人よりは持っている人の方が、中小企業から大手企業まで採用されやすい傾向にあります。
また、簿記2級を取得していると原価計算によるコスト管理や、財務諸表を読み解いて経営状況を把握することなどが可能です。
経理や会計といった職種はもちろんですが、製造・販売・営業・事務などのさまざまな業種で、コストを意識できる人材として就職が有利になる可能性があると言えるでしょう。
実際に、未経験者でも簿記2級取得者は優遇するという求人は数多くあります。
ただし、簿記2級所得者であり実務経験のある人の方がさらに有利なことに変わりはありません。実務経験者の場合40歳前後まで転職しやすいので、早めの取得を目指し、経験を積みましょう。
ここでは、簿記2級を条件にした求人例をご紹介します。
以下のように「日商簿記2級」「業界経歴不問」を応募資格にしている求人は意外と数が多く、未経験であっても簿記2級が就職や転職に役立つことがわかります。
勤務地 | 千葉県 |
募集職種 | 税務・会計補助スタッフ |
雇用形態 | 正社員 |
仕事内容 | 税務会計業務全般 ※相続税申告や税務コンサルティング案件で経験を積むことが可能です |
応募資格 | 資格:日商簿記2級 |
職務経験:不問 異業種からの転職歓迎 |
|
勤務時間 | 勤務時間:9:00〜18:00 ※残業代は別途支給 |
給与 | 月給22万円〜 ※実務経験や資格、スキルお持ちの方は優遇します |
手当 | 交通費全額支給 残業手当支給 引越費用補助 慶弔見舞金制度 インセンティブ |
昇給 | 年1回 |
賞与 | 年3回 |
休日休暇 | 週休2日制(土/日)祝 ※毎月最終土曜日は出社あり 年末年始休暇 夏季休暇 有給休暇 慶弔休暇 試験休暇(1週間程度) |
福利厚生 | 退職金制度あり 研修制度あり |
各種保険 | 各種社会保険完備 |
ただし、簿記2級を条件にしている求人で一番多いのは「簿記2級の資格を持った実務経験者」の募集です。
簿記2級取得後にスキルアップや収入アップを狙うなら、一年以上の実務経験を積んでから求人に応募するのが高い年収への近道となるでしょう。
簿記2級を取得しても、実務未経験の場合はそれほど高収入にはなりません。
しかし、簿記2級の知識を求める企業は多く、就職や転職に有利です。3年以上の実務経験を積めば、より高収入の企業へ転職がしやすくなるでしょう。簿記2級を条件にしている求人の場合、実務経験者をより優遇する傾向にあります。
さらに大幅な年収アップを望むなら、簿記1級取得・税理士・会計士などを目指すのがおすすめのキャリアプランです。
簿記2級は難易度が高く簡単に取得できませんが、年収アップには有効な資格といえるでしょう。
簿記のスクール、予備校、通信講座を検討するなら「BrushUP学び」の利用をおすすめします。簿記検定対策講座の費用と期間を級別に解説していてわかりやすいです。通信講座を中心に、全国の大手の学校から地域のスクールまで一括で資料請求ができるので、独学でやるか、受講するかで迷っている方にも便利です。