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簿記1級ってどんな資格?試験の概要とメリットを解説!

更新日:2023/05/16


簿記1級ってどんな資格?試験の概要とメリットを解説!

簿記1級は合格率10%の非常に難易度の高い資格です。出題範囲が広く、難解な理論を 理解したうえで問題を解かなければならず、 合格は非常に難しいと言われています。

しかし、簿記1級は、取得すれば会計と財務のスペシャリストとして進学・就職・転職に有利です。また、税理士や公認会計士の登竜門と言われており、独立を目指す人にとっては取っておきたい資格の一つです。

この記事では、簿記1級の取得を目指す人や興味のある人に向けて、メリットや試験の概要などを解説していきます。

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簿記1級ってどんな資格?

簿記1級は、日本商工会議所で「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル」としています。

取得すれば会計と財務のプロとみなされるだけでなく、税理士の受験資格が得られるため、就職・転職に有利です。

また、日常生活においてもお金の管理や資産形成に役立つなど、公私にわたり有益な資格と言えるでしょう。

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簿記1級の難易度と合格率

簿記1級は簿記の最高峰と言われており、取得は容易ではありません。合格率は毎年10%前後で、行政書士や一級建築士といった難関資格と同等の難易度です。

簿記1級の受験者は、簿記3級、簿記2級と勉強を進めてきた人が多いのですが、そのような基礎知識がある人でも勉強時間の目安は600〜1,000時間と言われています。また、一発合格は難しく、合格するまでに2,000時間以上費やす人もいます。

出題範囲は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目ですが、いずれも膨大な試験範囲で、すべての科目を 理解しなければなりません。暗記や出題パターンを覚えるといった試験対策では点数が取れず、非常に低い合格率になっています。

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簿記1級取得のメリット

就職・転職・起業で有利になる

就職や転職を考えている人にとって、簿記1級は非常に有利な資格です。取得は容易ではありませんが、だからこそ希少性があり企業へのアピールにつながります。

簿記1級取得者は経営管理のスペシャリストとみなされるため、経理や会計といった職はもちろん、金融業や製造業などさまざまな業種での活躍が期待できます。

また、税理士の受験資格を得られるため、税理士事務所で採用されやすくなるでしょう。公認会計士も簿記1級の延長線上にある資格です。そのため、会計士事務所も就職・転職の選択肢に入ります。

簿記1級は起業時にも役立ちます。起業自体は簿記の知識がなくても可能ですが、経営状態の把握や管理ができるため、簿記知識がない人よりもはるかに有利と言えるでしょう。

会社や大学で評価される可能性が高い

簿記1級は非常に難易度が高い上に実務に役立つ知識のため、取得すれば会社で評価される可能性の高い資格です。経理や会計の職に就いている場合は、資格手当や昇進が期待できます

特に、メーカーの経理・会計・財務部門などで働いている人は、プロフェッショナルとして高く評価されるでしょう。簿記1級で学ぶ工業簿記と原価計算は製造業で使われる会計方法なので、経営に深く関わることが可能です。

簿記1級は大学進学にも有利です。

国内の78の大学では、簿記の資格保有者を入試で優遇しています。特に簿記1級は高く評価されるため、推薦入試でメリットがあります。

日本商工会議所のホームページで学校名が確認できるので、在学中に簿記1級を取得予定の人は見てみましょう。

公認会計士・税理士への道が開ける

税理士や公認会計士を目指す人にとって、簿記1級の取得は大きなメリットがあります。

たとえば、税理士の受験には学識・資格・職歴のいずれかによる資格が必要ですが、簿記1級はその受験資格の一つです。また、簿記1級と税理士の試験は8〜9割と広範囲で重なっており、勉強時間の短縮につながります。

公認会計士も簿記1級の勉強が役立ちます。会計学の基礎の論点が共通しており、学習の先取り効果が期待できます。ただし、公認会計士は簿記1級よりもさらに出題範囲が膨大かつ難解で、勉強の目安は3,500時間です。合格はさらに厳しい道のりと言えるでしょう。

しかし、民間資格である簿記と違い、税理士も公認会計士も国家資格なので、取得によって独立開業が可能です。

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簿記1級の試験の流れ

試験は年2回

簿記1級の試験は6月と11月の年2回です。

受験資格はありません。しかし、難易度の高さから初心者がいきなり簿記1級を受験して合格するのは難しく、簿記3級や簿記2級を取得または勉強してから受験する人がほとんどです。

参考までに、簿記3級と2級の受験日は6・11・2月の3回です。簿記3級と2級または、簿記1級と2級は併願受験もできます。

簿記1級で就職や進学を有利にしたいという人は、受験日から逆算して勉強のスケジュールを立てると良いでしょう。

試験内容は4科目

簿記1級は、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4つの試験科目で構成されています。

試験の時には、商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分のトータル180分で解かなければなりません。膨大な試験範囲や難易度に対し、タイトな時間配分です。

試験対策として、過去問だけでなく予測問題などの初見の問題でも解けるようにしておく必要があります。暗記や出題パターンを覚えるだけでは合格できないので、すべての科目で理論を 理解できるまで、繰り返し勉強しましょう。

厳しい合格基準

簿記の合格基準は3級から1級まですべて70点以上です。ただし、簿記1級に限っては1科目でも40%以下の点数だと不合格になる「足切り制度」が使われています。

商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算はそれぞれ25点の配点です。つまり、簿記1級の試験で合計70点をとっても、いずれかの科目で10点以下だと合格できません

簿記1級の試験は、不得意分野があるといつまでも合格できない厳しい合格基準なのです。

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簿記1級の学習内容は?

商業簿記

商業簿記とは仕入れた商品を販売する形態の簿記です。主に、仕分け・入出金管理・財務諸表の作成・決算報告資料の作成などを行います。簿記の基礎の考え方であり、製造業以外の会社で使われます。

商業簿記は簿記2級でも出題されますが、ほとんどが仕分けの計算問題です。

一方、簿記1級では会計学に基づいた記述式の理論問題も出題されます。また、範囲も格段に広く難易度の高い内容になるため、簿記2級を取得していても理解するまで時間がかかるでしょう。

会計学

会計学は簿記1級から加わる科目です。商業簿記で学んだ計算の根拠や目的を学ぶ理論の問題で、狭い範囲を深く掘り下げた内容になっています。

理論と言っても応用や計算もあるため、文章の暗記だけで点数を取るのは不可能です。〇×問題が出てくることもありますが、曖昧な理解では正答にたどり着けません。

テキストを繰り返し読み込み、会計の目的や理論がどういったものなのか、自分の言葉で説明できるレベルを目指すと良いでしょう。

工業簿記

工業簿記は、製造業を行う会社で使われる会計の形式です。原材料を仕入れてから加工・製造し、販売を行うすべての過程でかかった原価の計算を行います。

工業簿記は簿記2級から出題範囲に含まれますが、製造原価報告書や各種原価計算などの基礎的な計算です。一方、簿記1級では、さらに範囲が広く高度な知識が求められるため、計算の意味を理解しないと点数が取れません。

また、簿記1級の工業簿記は段階を踏んで次の計算を行う形式のため、1問目で間違ってしまうと全問不正解になる可能性があります。

原価計算

原価計算は工業簿記のルールと理論にのっとり、材料費・労務費・経費などの製造にかかった原価を計算し「意思決定を行う」問題です。経営者の立場に立って、収益が増えるか減るか判断しながら勉強すると良いでしょう。

原価計算は簿記1級から追加される科目ですが工業簿記と内容が連動しており、工業簿記を理解していないと解けない問題です。

まず簿記2級の範囲の工業簿記、それから簿記1級の工業簿記、最後に原価計算を勉強するのがおすすめのスケジュールです。

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簿記1級の合格に必要な勉強時間は?

独学の場合、簿記1級に必要な勉強時間は600〜1000時間が目安です。ただし、これは簿記2級の内容を完全に理解している場合の勉強時間です。簿記の初心者はさらに時間がかかるでしょう。

また、簿記1級の試験範囲は広いうえに難易度が高いため、目安分の勉強をしても合格するとは限りません。

確保できる勉強時間・得意科目・勉強方法の違いなど、個人差が大きく影響します。500時間で合格できる人もいれば2,000時間かかっても合格できない人もおり、合格までにかかる勉強時間は一概ではありません。

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簿記1級は独学でも取得できそう?

簿記1級の勉強期間は、1日2時間確保できても1年から1年半は必要です。しかし、難解な理論や計算につまずき、長期間の勉強でモチベーションを維持できず取得を諦める人も少なくありません

また、相性の良い市販のテキストを見つけるまで時間がかかる場合もあります。

簿記1級は、難易度が高いだけでなく、合格基準も厳しいため、合格率は一貫して8〜10%です。独学の合格は不可能ではないものの、非常に難しいと言えるでしょう。

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簿記1級を取得したい社会人におすすめの勉強方法

合格を目指すならスクールの利用がおすすめ

簿記1級のように試験範囲が膨大で高度な知識を求められる資格の場合、スクールに通うのがもっとも効率的です。

スクールでは最新のテキストを使い、合格率を上げるために要点を抑えながらスケジュールを組んでくれるので、独学と違って悩まずに勉強を続けられます

また、疑問や不明点が出た場合、講師に質問できるので、苦手意識を持たずに済むというメリットもあります

「独学で勉強してみたけれど予定通りに進まない」といった悩みのある人はスクールを利用すると良いでしょう。

通信講座を利用する方法もある

簿記1級の短期合格には通学スクールの利用が有効ですが、近隣にあるとは限りません。また、授業の時間が決まっているため、多忙な人は通えない可能性があります。

通学での受講が難しい人は、通信講座の利用を視野に入れましょう。

通信講座のメリットとして、スクールより安価で、場所や時間を選ばずに利用できるという点が挙げられます。また、メール・電話・チャットなどで講師へ質問できる講座が多いため、独学に比べると効率的な勉強が可能です。

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まとめ

簿記1級は膨大な出題範囲と求められる知識の高さから、合格率10%の難関資格です。しかし、希少性が高いからこそ評価されており、取得することで進学・就職・転職・独立・昇進などが有利になります

勉強時間の目安は600〜1,000時間と言われていますが、独学での取得は簡単ではありません。効率的な合格を目指すのなら、スクールや通信講座を利用がおすすめです。

キャリアや収入アップを目指す人にとって、時間やお金をかける価値のある資格と言えるでしょう。

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